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その四
タイの葬式 |
| 違いすぎる葬儀のあり方 今回はタイの葬式についてレポートをお届けします。 私の母親がタイで亡くなったときの体験談です。 タイで死亡した場合に真っ先にしなければならないことは、警察に届けて、"何時何分に何処でどのような状態で死亡したかということを報告し、死亡証明を発行してもらいそれから管轄の市役所に死亡届を提出し、遺体の火葬許可証を発行してもらいます。 それからその日の内に遺体に腐敗防止剤を注入し腐敗を防止します。(なんと言っても連日30℃を超すあつさですから)この仕事も日本の医師と同じく資格がないと出来ない職業のようです。 遺体に腐敗防止剤を注入しに来た人を見たときは、何ともいえない異様な雰囲気を感じゾッとした記憶があります。 遺体に腐敗防止剤を注入している間は、その部屋の内部にある開口部の隙間という隙間はすべて目張りをし他の部屋に匂いが入らないようにします(薬の匂いが強力だからでしょう)。その時は肉親であろうと一切その現場に立ち会うことが出来ないのです。 本当にきちんとしてくれているのかナ?なんてヘンに詮索もしたくなります。 そして約12時間は匂いを抜くために窓は開け放しておいてくださいといわれました。 タイでの葬式は五日間行われると聞いたときはびっくりしました。もちろん値段により短い(三日)日もあります。とりあえず私の場合は五日間で行うことにしました。 日本ですとまず隣近所がお手伝いに来てくれますが、タイでは一切近所は関係なく身内、親族だけでとり行います。 |
| 1日目 死亡した翌日法衣をまとったお坊さんが来て、遺体の手首に女性の小指くらいの太さの綿の紐を結びお坊さんがその紐を引き先導しながらお寺まで運んでくれました。この時から儀式が始まるのです。日本での通夜というものはありませんでした。 葬祭所で棺おけの中に移し、もう一度化粧を行い最後にランの花で遺体をすべて包み込み最後の別れをします。この時が一番悲しいときですネ。 そして祭壇にある装飾を付してある祭壇の中に棺おけを入れいよいよ葬儀が始まるりますです。 親族は、朝早くからお坊さんに食べてもらう食べ物を作ります。10時に4人の僧侶が来て祭壇の横の神様の安置してある所に座り、まず最初に喪主が神様にお線香をあげ、次に遺体のある祭壇に向かってお線香を上げます。 それから読経が約1時間ほど行われ、その後に生活用品や法衣の布と共にお金をお礼にお坊さんにあげます。 お坊さんが帰った後に、参列者に自宅で作ってきたお料理を振る舞い感謝の意を表します。 2日目 1日目と同じで4人の僧侶が同じことを行います。お坊さんの顔ぶれは前日とは違います。 3日目 1日目と同じことを行います。 4日目 この日が一番重要な日(遺体の焼却日)なので9人の僧侶がきて読経をしてくれます。 一番えらい僧侶がリード役で読経が始まると、その厚みのある重厚な読経に魅せられしばし別世界にいるような気になるほど素晴らしいものです。合掌している手が疲れていつのまにか下にさがってしまっています。 昼食時には食べ物を振る舞い、しばしくつろいでもらってからもう一度午前中と同じ事を行い1日目と同じ物をあげ感謝の意を表します。 9人の僧侶が帰ってからしばらくして、高僧が一人で来て"人の生き方について"とかの 哲学的な話を参列者にします。たとえば"人はいくらお金を持っていてもあの世まで持って行けないんだから、なるべく貧しい人に恵んで云々"というようなよく日本でも聞くような話を30分ぐらいしてくれます。この時はそれなりの感謝を表すものをお礼に差し上げます。 焼却前には自宅から遺体を運び出したのと同じ僧侶が先導し同じく綿の紐で引いて焼却場の周りを3周して焼却場に運び込みます。 これは天国へ故人を導くための儀式なのです。 午後4時頃から焼却前の最後の儀式が行われます。ここでは又4人の僧侶がいて、本当に最後のお経をあげてくれます。 読経が終わり、とうもろこしの葉で作った花を参列者に渡し焼却前の遺体に添えてもらい最後の別れをします。 最後に遺体の運び込まれた焼却炉に喪主が"両手の平を広げたぐらいの大きさの同じくとうもろこしの葉で作った花"を入れ扉が閉じられます。 いよいよ焼却が始まります。そして遺骨の引き取りは翌日になるので、参列者に自宅に来てもらい馳走を振舞い4日目が終ります。 5日目 午前10時に遺灰が運び込まれて、重要な骨から順番に並べてくれてから各部分の骨の説明をしてくれその後骨壷に入れます。骨壷の中に骨と共に生花をいれ一番上に頭蓋骨の一番重要な部分を載せて蓋を閉めます。 生の花を入れても暑さのためにすぐにドライフラワーになるので心配は無いという事で、 腐るとかそのような心配は要らないということです。 その他の骨は海に散骨をしました。 以上が大まかなタイでの私が体験した葬儀のないようです。 葬儀が終って お寺からもらった焼却証明書と市役所から出してもらった死亡証明書(ムラナバット)を日本大使館に持ってゆき、日本での手続に必要な日本語に翻訳した証明書(公文書)を作ってもらい、日本の市役所にいって手続きを済ませました。 大使館では遺骨証明書も発行してくれます。 "どうしてそんなものがいるのですか"と聞くと骨壷と称して中に麻薬等を入れる輩がいるという事で、タイ政府も神経質になっているとのことです。 その為に大使館が証明書を発行しているとの事です。 |
| 感じたこと タイでは、日本人の嫌う4と9の数字は日本とは反対に重要な数字で、めでたいときや重要な催し物のときに必ず使われるようです。 同じ仏教国でありながら、お坊さんの世の中における位置つけがまったく違い深く庶民の日常生活に溶け込んでいるナァ……..と感じ、又1挙手1投足についても心がこもっており日本の葬儀では感じられない感動を覚え、お寺も焼却場もカラフルで明るく、故人が天国に旅立つのにはうってつけのように感じました。日本の焼却場ももう少し色があってもいいかナ・・・なんても思った次第です。 それから身内、親族だけで料理等を作り近所の手を借りないこのやり方のほうが色々と神経を使わないので合理的だと思いました。 |